夏はあっという間に過ぎ去って、気が付けば十五夜のお団子。なんとなく冬支度な雰囲気と、今年も残りわずかな空気のにおいがしてきました。女性は、月の満ち欠けに合わせて体のリズムを作ると体調が整うなんて話もありますが、物事には時間の流れがあり、始まりと終わりがあります。
書道にひっかけて考えて見ても、やっぱりここにも時間の流れが存在します。

「起筆から終筆。」

一本の線の中で、この始めと終わりの筆遣いは、最も神経を研ぎ澄まし、そしてこの作業の美しさで作品が決まってきます。

と同時に、作品全体を見てとったときには、「押印」がすべての終わりを意味します。

「印」

これもまた、広がりを持つ書道芸術の一部でもあるわけです。
例えば、押印の位置で作品の世界が奥行きを増すことがあれば、少し位置をずらしたことで逆に品祖な作品になるなんてこともしばしば起こります。
何百枚と書いたのち、「これぞ!」というものをやっと書き上げた作品に押す印の位置の難しさたるや。
朱肉の色、印の大きさ、種類、そして、押印の位置。
ひたすら決まらないこともしばしばある上に、この最後にポンっと押すときの手の震えることと言ったらありません。

白黒の世界に一点の「朱」を置く。

この美しさは凛々しい書道の、そして、物事の始まりと終わりを鮮やかに表現する奥深いものであります。

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〈ニュース提供:夏波夕日の美容天気(www.b-10.net)〉〈著者:光雪〉


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新倉優(光雪)
書道人(しょどうびと)。雅号:光雪。飯森金鷺氏に師事。蒼泉会会員を経て現在フリー。演劇活動とともに、舞台装置の筆文字、題字等も手掛ける。「豆ノオト」では、演劇と書を融合し表現する作品を公演。 毎日書道展・酒ラベルコンクール、入選ほか。 文学座夏休みこどもフェスティバル題字、 加藤健一事務所「滝沢家の内乱」舞台美術筆文字を担当。 http://ameblo.jp/yusuyusu-rose
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