中国 雲南省大理に暮らす少数民族「白族」(しろぞく/báizú)の人々は、古くからお祝い事やお客様を迎える時、特別なお茶を淹れてもてなす習慣があります。

そのお茶は「三道茶」(sāndàochá)と呼ばれます。中国語では“一苦二甜三回味”(苦味、甘み、後味を楽しむ)と言い、三種類のお茶を淹れて、人が一生のうちに経験する「三つの境地」を表現していると言われます。

 ● 一煎目:苦茶

少し火で焙った茶葉に熱い湯を注いで淹れる苦味の強いお茶。“身を立てるには、まず「苦」労に耐えよ”の意味が込められています。

 ● 二煎目:甜茶 

茶葉を焙り、紅糖、「乳扇」と呼ばれる大理のチーズ、桂皮などを少々加えて煮込みます。人生で苦しさを経験すれば、この2杯目のお茶のように「甘くて香りの良い」時間が訪れることを示唆しています。

 ● 三煎目:回味茶(huíwèichá)

焙った茶葉に、蜂蜜、花椒(かしょう)、胡桃などを少し加えて煮込みます。口に含めば、甘み、酸味、苦味、辛味の各種味わいが混ざり合い、後味(中国語で「回味」(huíwèi)と言います)が尽きません。

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三杯のお茶は、人生にどれだけ複雑な味わい(回味)があるのか、風雨のような辛い時(苦味)があってこそ晴れの日もある(甜味)という人生の哲学を語っているのです。

“好茶在苦涩之后会有回甘”「良いお茶は、苦味・渋味がありながらも、甘みを含んだ余韻が残る」と言われます。新しい年を迎え、大切なご家族や友人達、あるいはご自身へ淹れるお茶は、どんな味わいになりましたでしょうか。


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栗城 暖子

栗城 暖子

栗城 暖子(くりき あつこ):中国高級茶芸師 高級評茶員 2007年より上海在住。中国茶を通じ、中国の歴史、伝統文化に触れる日々。 趣味は、年に数回、中国各地のお茶どころを巡る「茶旅」へ出かけること。おいしい茶葉と、かわいい茶器を探すこと。 2011年3月 浙江大学 茶学部 高級評茶員養成クラス終了。 2013年10月 中国浙江省にて開催された、第二回 ”武陽春雨杯 全国茶芸職業技能コンテスト” 茶席デザイン部門 銅賞 受賞。
 
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