中国の茶畑では、春分前後のこの時期から茶摘みシーズンを迎えます。春の新茶は、冬の間に養分をたっぷり蓄えた茶葉で作られるので、風味のバランスがとても良く、人々に広く愛されています。

浙江省 長興県 顧渚山で作られる緑茶「顧渚紫笋茶」(こしょしじゅんちゃ/ gùzhǔzǐsǔnchá)は、今から約1200年前、中国の唐の時代、茶聖 陸羽によって書かれた『茶経』で最上級のお茶と紹介され、当時朝廷へ献上されていた銘茶の一つです。

この時代、やや「紫色」を帯びていて(当時はそのような品種の茶葉が一般的だったようです)、「笋」(竹の若芽)のように太く引き締まった新芽を使って作るお茶が上質とされていました。

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1200年前の製茶方法で作られたお茶とは、どんな風味でしょうか。唐の時代の製茶法を再現している工場へ見学に行きました。

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「茶摘み→茶葉を蒸す→臼で搗く→型で成型→ザルに並べて自然乾燥→炭火で焙り乾燥」

現在の顧渚紫笋茶は、茶摘み後、茶葉を熱風乾燥して発酵をとめるのが一般的ですが、当時は蒸して発酵をとめる作り方でした。今回は丸く固めたお茶なので、盖碗を使って茶器の大きさに合わせくずして淹れみます。(現在、市場に流通しているものは散茶(パラパラとした固まっていないお茶)が一般的です。)

口に含めば、緑茶の爽やかな甘みと、炭火で焙った香ばしさを感じ、優しい風味のお茶です。春に作られるお茶は大地の養分をたっぷりと含み、味に厚みがあるので、和菓子などのお菓子との相性もぴったりです。

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栗城 暖子

栗城 暖子

栗城 暖子(くりき あつこ):中国高級茶芸師 高級評茶員 2007年より上海在住。中国茶を通じ、中国の歴史、伝統文化に触れる日々。 趣味は、年に数回、中国各地のお茶どころを巡る「茶旅」へ出かけること。おいしい茶葉と、かわいい茶器を探すこと。 2011年3月 浙江大学 茶学部 高級評茶員養成クラス終了。 2013年10月 中国浙江省にて開催された、第二回 ”武陽春雨杯 全国茶芸職業技能コンテスト” 茶席デザイン部門 銅賞 受賞。
 
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