中国ではその昔、お寺でお茶を栽培し、飲用していました。長時間に及ぶ修行瞑想中の睡魔予防剤として、お客様へのもてなしの飲み物として、皇帝への献上品として、お寺やその周辺で栽培されていたのです。

 「径山茶」(けいざんちゃ)は、浙江省杭州市余坑区にある禅寺「径山寺」で唐の時代から作られていたお茶です。12~14世紀頃、中国と日本は仏教交流が大変盛んで、「径山寺」には日本から多くの修行僧がやってきました。

静岡出身の臨済宗の僧、聖一国師(せいいちこくし)は、径山寺などで修行し、茶の種子や飲茶方法を日本へ持ちかえりました。帰国後、故郷の静岡に、茶の種を撒いたのが静岡茶の始まりと言われています。

その後修行に訪れた南浦紹明(なんぽしょうみょう)は、径山寺から中国茶に関する書物や「径山茶礼」(径山寺で行われていた茶の儀式)で使われていた茶道具などを持ち帰り、中国禅寺の茶の儀礼を日本に伝え、これが日本の茶道のもとになっているとも言われます。

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烘青緑茶(hōngqīnglǜchá/熱風・熱気で乾燥させた緑茶)に分類されるこのお茶は、アミノ酸などのうま味成分が豊富で爽やかな味わいの緑茶です。4月の穀雨の頃(今年は4月19日)までに茶摘みして作られたお茶の品質が良いとされます。お湯を注ぐと、茶葉が水分を含んですぐに底の方へ沈むのが特徴です。日本人になじみのあるすっきりとした程よい渋味が心地よく、約800年の時を経て「中国と日本の茶縁」に思いをはせ、味わいたいお茶です。

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栗城 暖子

栗城 暖子

栗城 暖子(くりき あつこ):中国高級茶芸師 高級評茶員 2007年より上海在住。中国茶を通じ、中国の歴史、伝統文化に触れる日々。 趣味は、年に数回、中国各地のお茶どころを巡る「茶旅」へ出かけること。おいしい茶葉と、かわいい茶器を探すこと。 2011年3月 浙江大学 茶学部 高級評茶員養成クラス終了。 2013年10月 中国浙江省にて開催された、第二回 ”武陽春雨杯 全国茶芸職業技能コンテスト” 茶席デザイン部門 銅賞 受賞。
 
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